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先月、東京で学会がありました。その中で、「新しい創傷治療 -消毒とガーゼの撲滅を目指して−」というタイトルの講演があり、個人的には特に印象に残ったので内容をご紹介します。
皆さんは傷の治療というと何を思い浮かべられますか?
「傷が化膿しないように消毒する、傷を乾燥させる、ガーゼをあてる」と思い浮かべられた方もいることと思います。
しかしながら、これらの治療法は現在見直されてきています。すなわち、「傷は乾燥させてはいけない、消毒は必要なし、乾いたガーゼを直接あててはいけない」という考え方です。
Q なぜ、傷を乾燥させていけないのか?
A 傷ができたとき、傷口はジュクジュクしています。この中には傷を治すために必要なものがたくさん入っています。つまり、傷の治癒には必要不可欠なものなのです。乾燥させることは、このジュクジュクを傷口からなくしてしまうことにつながるため、してはいけないことなのです。そこで、現在は傷ができたら、「お水またはお湯で傷についた異物を洗いながし、傷が乾かない素材で覆う」という方法をとるようになってきています。また、ジュクジュクの成分を濃縮して少しでも傷を早く治してあげようという方法も報告されています。
Q 傷を化膿させないようにするために消毒は必要ではないですか?
A 消毒の目的は有害な菌を死滅させることです。しかし、消毒は生体自身も傷害してしまいます。つまり、傷の治癒を妨げ、かえって菌が傷に感染しやすい環境をつくってしまう可能性があります。傷を化膿させないようにするためには、消毒をして菌をコントロールするよりも感染源である壊死組織や異物などを取り除くことのほうが重要なのです。
Q 傷の治療にガーゼは必要か?
A そもそもガーゼとは、傷を乾燥させるために開発されたものです。乾燥状態では細菌は増殖しないので、乾燥させれば感染は防げるのでは?と考えたのが始まりです。しかしながら、乾燥させることで当然傷の治りは悪くなります。また乾いた時に傷口に固着し、新たな傷をつくってしまうということにつながります。したがって、現在では乾いたガーゼを直接傷口にあてるという治療はおこないません。
当院でも、傷の治療にはこの考え方に基づいた治療法をおこなっています。個人的には従来の方法よりもとても感触がいいと思います。
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